ジャンパー膝のリハビリと復帰計画

今回は、ジャンパー膝に対してのリハビリのやり方と復帰までの段階について書こうと思います。

ステージ1軽症スポーツの後痛むエキセントリックトレーニング
ステージ2中等症スポーツ中と後に痛むエキセントリックトレーニング
ステージ3重症常に痛みがありプレーに支障がある体外衝撃波や鍼治療やPRP注射など&エキセントリックトレーニング
ステージ4最重症腱断裂手術

軽症や中等症の内に、膝蓋腱の強化をする負荷トレーニングをしていきます。ステージ3の重傷になってくると、いちど組織を破壊してから、回復を待って負荷をかけていくことになります。当然、軽症の内から適切な負荷をかけて行った方が大事に至らなくて済みます。

リハビリの負荷トレーニングには、エキセントリック収縮がとても効果が出ると言う結果があります。

普通の筋トレは、関節と関節の間に貼っている筋肉が縮むことにより、距離が近くなることです。これをコンセントリック収縮といいます。エキセントリック収縮と言うのは、それとは違い関節と関節の間が遠くなるけれども、筋肉が伸ばされながら収縮していると言う状態になります。

このような膝の伸展機構を伸ばしながら行う、エキセントリックデクラインスクワットと言うトレーニングをやります。

競技をしながらリハビリをしていく場合は、シーズン中、シーズン前後、オフシーズンでやることを変えていきます。

時期トレーニングの種類回数、強度期間備考
シーズン中アイソメトリックレッグエクステンション膝60度屈曲位 
全力の70から80%
45秒× 5セット
4週間靭帯にかかる負荷が少ないので、痛みが増加することがない。練習後でもアップでもやっていい。
シーズン前後エキセントリックデクラインスクワット①片足で15回× 3もしくは
②片足で15回ゆっくり× 3とストレッチ
①1日2回× 12週間もしくは
②週5回×4週間
上がる時(コンセントリック)は、両足や手を使って捕まってもいい
オフシーズン高負荷スロートレーニング
スクワット、レッグプレス、バックスクワット
15回× 4セット週2〜3回を6〜12週間パフォーマンスを上げていく。

アイソメトリックと言うのは、じっとしたまま動かさないトレーニングです。レッグエクステンションと言うのは、下のようなトレーニングになります。

マシントレーニングなどでよく見る機械ですが、これは膝が伸びきるまでやっています。シーズン中のリハビリでは、膝60°屈曲位で45秒間止めます。重さは健側で50キロあげられるようでしたら、患側は35キロから40キロ位でおこないます。このようなマシンを使わなくても、誰かに抑えて負荷をかけてもらってもいいですし、足におもりをつけてやっても良いと思います。

腱に対する負荷が少ないので、練習後に多少痛くてもやると痛みが軽減したりもします。

始めるタイミングは、なるべく早いうちから行った方が良いです。少し膝に違和感があったりする状態からでも、予防のために行った方が良いです。練習前と後におこないます。

シーズン前や後、練習が休みの日などは、少し腱に負荷をかけていきます。それがエキセントリックデクラインスクワットになります。やり方は上の動画を見ると良いと思います。12週間位で競技復帰するために欠かせないトレーニングとなってきます。

オフシーズンは、上積みの筋トレを行います。レッグプレス

マシントレーニングでなくても、平地でのスクワットや、ランジでもよいです。これらのトレーニングは、足全体の筋をバランスよく鍛えられます。

怪我からの復帰や再発予防には、計画性を持って徐々に負荷を上げていくトレーニングが必要となってきます。はたいち整骨院では治療だけでなく、運動指導も行わせていただいております。

膝の痛みに対する運動療法をお知りになりたい方は、はたいち整骨院へ

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