仙腸関節痛からの坐骨神経痛

運動がお好きで、ジムに毎日通われている、運動好きな患者さんが、2年ほど前からキックボクシングも始められて、今月末にアマチュアの試合があるのでエントリーされています。しかし1ヶ月前くらいから、仙腸関節が痛くなり、最近は太腿の裏あたりに痛みが出てきて、練習後に歩くのも困難になるくらい痛い時もあるそうです。週一回の治療とショックマスターを打っていたのですが、練習すると戻ってしまうとの事でした。

仙腸関節とは、上の図の関節です。腰骨をたどっていくと背中側で出っ張っている所の辺りです。ここには様々な筋肉が付着します。故に筋膜が重なり合って熱くなり、後仙腸靭帯となって、仙腸関節を支えています。靭帯の繊維は一部、骨とつながっていますが、背骨を支える脊柱起立筋と足を後ろに引くハムストリングス筋の合流分として、滑走性も求められます。

この患者さんは以前、ハムストリングス筋の肉離れをされています。肉離れ箇所の筋繊維は、瘢痕化と言って元々のものとは少し違ったものになっています。その部分を滑らかにするため、今まではショックマスターをしていました。しかし、最近の仙腸関節の痛みや、坐骨神経の痛みは取れませんでした。そこで骨盤の治療を考えました。

坐骨神経痛の原因として多いのは、梨状筋が硬くなって、下を通る神経を圧迫することだと言われていますので、まずは梨状筋にショックマスターを打ちました。でも痛みは取れません。次に坐骨結節(座った時に椅子にあたる骨)と、後仙腸靭帯の付着部に打ちましたが、幾分痛みが減ったくらいで、まだ残っていました。図の黄色い星印の3箇所ともそれ相当な響きはあった様なのですが…

右骨盤が前傾しているので、オステオパシーの手技で左右対称にするのですが、すぐに戻ってしまいます。骨盤の前傾というのは青い矢印の方向にずれていますので、骨盤の上側が前に倒れ、下側が後ろに来ていて、骨が神経を下から圧迫している形になっているのかもしれないと思いました。

だとすると骨盤の上側を前に引っ張っている筋膜を緩めてみようと思いました。

図の部分は上前腸骨棘と言って、腰骨の前側の出っぱりなのですが、ここから始まる足の筋肉がたくさんくっついていて、引っ張っています。ここをほぐそうと思っても最初は硬くてなかなかほぐれませんでした。股関節を動かして足の位置を変えながら徐々にアプローチしていくと、骨盤が後ろに戻っていく感触があり、そして最終的には坐骨神経の痛みがなくなりました。

キックボクシングは、サンドバックを休みなく蹴ったりするトレーニングがあり、ご自分でも股関節が固まってきているなと思っていたそうです。

痛みは骨盤や太ももの裏側に出ているので、そこに湿布を貼ったり、圧迫するサポーターをされたりてしてましたが、まさかこんなところに原因があるとは思わなかったようです。

坐骨神経の痛みは様々な理由で出現しますので、原因がわからずお悩みでしたら、ぜひお問い合わせください。

坐骨神経痛でお悩みなら、吉祥寺はたいち整骨院へ

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