昔から体が固かったけど...最近は歩くのもつらい

この患者さんは約2年前位から、足の痛みで歩くことが困難になっています。
整形外科では腰椎右側に椎間板ヘルニアがあると診断されました。痛み止めで様子を見る保存療法がとられているようです。
通われていた整体院では左右の足の長さが違うことが理由だろうと言われ、インソールを勧められているようです。


ヘルニアは薬を飲んでいても改善はされていないし、脚長差も果たしてインソールで改善されるか分からないと言う考えをお持ちのようでした。昔からずっと体が固い!との事でしたが、今までとは違うのは、固い→動かしにくい→痛い!とだんだん進行しているところです。今まで大きな病気や怪我とは無縁の生活をされてきたようですので不安に思われるのは当然だと思います。ひょっとすると…後天的に進行するALSやリウマチの可能性がありますか?とご心配されてました。

ALSやリウマチに関しては、専門外の分野になってしまいますが、簡単な腱反射や体表所見、触診をした感じでは当てはまらず、筋膜が固まって(高密度化)しまい、各関節が分節的に動けていないことが原因であると考えました。

腰からお尻にかけて3つの関節に分けて考えます。

うつ伏せで寝ていただくと、左の腰からお尻がベッドから浮き上がっていました。

立って足を前後に振る運動をして頂いたところ、後ろに引くとき腰から下が一本の棒の様になって、上半身を捻るように動かしていました。股関節だけを動かすと言うことができていないと言うことがわかりました。

腰椎ヘルニアは右側に出ているとのことで、痛みを回避する為か、少し前屈みになっていて、股関節が伸びていません。とくに左の腰を引くような姿勢になっています。その姿勢で長いこと生活していらっしゃったのではないかと思いました。

上の写真のバッテン印の部分にトリガーポイントと言われる、筋膜が高密度化してくっついてしまっている部分がありました。股関節を進展する大臀筋とハムストリングス筋がつながっている場所です。そこに向かって筋膜が収束してしまっている感じがありました。

筋膜は一部、靭帯となって関節に付着しますが、関節をまたいで全身の筋肉につながっています。必要な時に運動の進行方向に連結します。例えば前ならえなどをするときは、肩、上腕、前腕、手、を前に送る筋膜配列が連結して固定しています。この患者さんの場合は腰、骨盤(仙腸関節)、股関節が連結して動いてしまっていると思います。

でも日常生活では、関節は別々に動けた方が良いです。
トリガーポイントがあると下の図のようなことが起こっていると考えられます。

足を後に振れない(股関節が伸びない)のは、体の後方の筋膜配列の途中に、トリガーポイントによる癒着があり、周辺の筋膜が引っ張られるせいで、股関節には圧縮の力がかかって痛みが出ているのではないかと考えました。

トリガーポイントはコラーゲンやエラスチンといった繊維や、ヒアルロン酸が固まってしまって粘度が高くなっている、水分量が少ない状態で形成されます。治療はこの部分に摩擦熱を加えて、伸ばしていきます。かなり痛かったと思いますが我慢して頂き、何とか取り除くことができました。

施術後の感想をお聞きしたところ、左股関節はその日、筋肉痛に似た症状の、「動かしても痛くないが触ると痛い」と言う筋膜痛があったとのことです。

1日間後にすごく動きやすくなり痛みも減ったとのことでしたが、2日後には徐々に戻ってきてしまっているようです。それと右膝裏に関しては、まだ痛みが残っているとのことでした。

原因の1つであると思われるトリガーポイントは除けたので、次回は腰椎ヘルニアや脚長差といった
部分にも、もっと治療ができると思います。

歩く事お困りでしたら、筋膜整体のはたいち整骨院

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