座ったり、立ったりする時の尾てい骨の痛み

本日いらっしゃった患者さんは一昨日朝に、尾骨付近に違和感をおぼえて、前に丸まったりすると痛みが走るという症状がありました。

昨日も別の所で治療をお受けになり、朝から背中の痛みは取れていることを実感するも、尾骨の違和感の強さを感じたとの事です。
歩く、立つ、に関しては全く問題は無いが、座る、座ってから立つがだんだん辛くなる状態でお仕事に行き、帰宅後、0時過ぎからだんだんと痛みがひどく、ほぼ全ての動作が痛いのでとうぜん寝れなかったとの事でした。 

普段寝るのは左下か、仰向けだと右足を上にクロスさせないと寝づらいそうです。

骨盤は、仙骨と腸骨で構成されています。仙骨の先が、尾骨です。
仙骨は脊柱の続きで、腸骨は足の続きです。この2つの骨をつないでいる関節が仙腸関節と言います。体幹と、足のつなぎ目です。

立っているときは、仙骨が前にお辞儀しているような状態で、この時は仙腸関節の後ろ側に張った靭帯が仙骨をこれ以上前に行かさないように緊張して、関節は安定します。

座っているときは、長骨の一番底となる坐骨がまっすぐ立っていれば安定します。ですが、長時間座っていたり、柔らかすぎるクッションの椅子にずっと座っていると、腸骨が転がって後傾してきて、尾骨があたるようになります。この時は仙腸関節も緩んでしまっています。
骨盤は不安定になり、立ったり座ったり足を持ち上げたりするたびに仙腸関節や、尾骨のあたりに痛みが出ます。

患者さんは昔体操をされていたそうで、かなり反り腰気味でした。つまり仙骨は常に前傾気味だと考えられます。
お話を聞いてみると、痛みを自覚したときの直前は柔らかいクッションの椅子に長い時間座っていたとの事です。

検査したところ、左足の片足立ちは不安定で痛みが出ます。
前にお辞儀をすると、右の腰は取り残され、左が前に行く感じの体を捻ったお辞儀でした。

左の股関節が硬くて動きが悪く、仙腸関節は可動域が広い
右の仙腸関節は硬くて動きが悪く、股関節は可動域が広い

基本的に動きの悪い関節の隣の関節は、がんばって動かなくてはいけないので、それで痛みが出てくることもあります。

各関節の検査していくと、左の仙腸関節がズレていました。

脚の長さも違いがあり、内くるぶしの位置が分かりやすく左が高くて短い足です。

下肢筋膜のリリースを行なって、脚の長さはここまで揃いました。仙腸関節のズレも今はおさまっているように思います。

今日はお時間内に、関節自体の治療はできませんでした。もしかするとまた戻ってしまう可能性があります。その場合は仙腸関節をしっかりと適合させなければいけないと思います。

患者さんが明日、痛みがなく起きられることを願っています。

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