今日の患者さんは、手をついたときに手首の小指側が痛む患者さんでした。
手首の小指側にはTFCC(三角線維軟骨複合体)という靱帯と軟骨で構成された、構造物があり、骨と骨をつなぎとめたり手首にかかる衝撃を吸収したりしています。
動きのテストや、圧痛を見てみると損傷まではしてないと思いましたが、手のひらを下に向けてみると、小指側の骨が浮き上がっているように見えます。
そして前腕の筋肉が、パンパンに張っていました。
前腕には橈骨(親指側)と尺骨(小指側)という2本の骨があり、その間を骨間膜がつないでいます。そして指へと向かう筋肉が始まっています。(赤い色のついているところ)(肩の方から降りてきてくっついているところは、青い色が付いてます)
筋肉は2つの骨をまたぐように走っていたり、所々交差したりしています。
指を動かすだけでなく、手首をひねったりするのも、このあたりの筋肉がやっています。
IMG_0140←ムービーです。
手首の回内、内に捻る動きを見ると、尺骨は動かずに、それを軸にして橈骨が回っています。
小指側の尺骨が手首の所で飛び出しているように見えるのは、まわっている親指側の橈骨が、回内から戻りきってないと、関節面がズレていることになります。
日常的に回内してしまっている状態で骨間膜や、筋肉が固まっている…と言うことになるかもしれません。
巻き肩や、肘の内反肘(内側にくの字になっている)なども原因になると思います。
治療は筋膜リリースを行い、捻れて固まった所を伸ばしていきました。
それとセルフケアをお願いしました。
前腕の半分より少し手首寄りを抑え、手首を内、外に捻るのに10秒くらい抵抗します。
それを5セットくらいやって、合間に少しマッサージします。
腱鞘炎などにも効果あると思いますので、同じような症状の方もぜひ、お試しください。