ガニ股で腰痛?

先日、長年腰痛に悩まされている患者さんがいらっしゃいました。最近デスクワークが多いせいか、ぎっくり腰も何回かなってしまってて、整形外科や接骨院で治療を受けるたび、フラットバック(下の図の右端)と言われたそうです。

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理想姿勢と比べて、中心の点線が体の後ろを通っています。背骨が全体的にまっすぐで、頭を前に突出して重心のバランスをとっています。

背骨は適度に湾曲してS字を描いていないと、重力をまっすぐに受けてしまいますので、椎間板がダメージを受けやすいです。この方も整形外科で椎間板ヘルニアの疑いありと言われたそうです。

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理想の姿勢と比べて、腰椎の隙間が狭くなっているのがわかります。

もう一つ問題なのは、第5腰椎と仙骨の角度は30度くらいが理想なのですが、それが減少して、仙骨が垂直に近づいてしまうと言うことです。こうなると仙腸関節の安定性が悪くなってしまいます。

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仙骨は脊柱の続きであり、上からの重さがかかります。腸骨は足の続きであり、地面からの反力を受けています。仙腸関節はちょうど相反する力を受けています。

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仙腸関節の関節面はエル字型をしていますので、仙骨が垂直に近くなれば、すれ違う力を抑えることが困難になってきます。

そして骨盤の1番高いところを探っていくと、ベルトラインよりだいぶ上にありました。仙骨の起き上がりに伴って、横にある腸骨も後傾しています。そうすると股関節が前に押し出されます。

この状態を代償するため、股関節外旋筋群や大臀筋を使って、ガニ股にしてなるべく足を重心線に近づけようとしていました。これらの浅層筋アウターマッスルを常に使っていると、骨盤を内側から安定させる、腹横筋や多裂筋などの深層筋インナーマッスルとのバランスが悪くなってきます。

腰痛の病態別運動療法―体幹筋機能向上プログラム

デスクワークで座りすぎていても、お尻が硬くなりますが、もともとの姿勢と使っている筋肉のバランスの問題もあったと思います。腹式呼吸をしていただくと、腹横筋に力が入ります。この患者さんは腹横筋、深層筋インナーマッスルは弱くなっていませんでしたので、トレーニングというよりも腹横筋を目覚めさせるように腹式呼吸を定期的に行ってくださいと指導させて頂きました。

フラットバックやガニ股で腰痛にお困りの方は吉祥寺整体のはたいち整骨院へ

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